今回紹介するのは、DW(ドイチェ・ヴェレ)というドイツの国際放送局アラビア語版が2017年11月17日付けで報じた、今シーズンからボルシア・ドルトムントでプレーしているシリア生まれのマフムード・ダフード選手に関する記事です。
日本の香川真司選手のチームメート、というか、ポジション争いをしている関係でしょうか。今年(2017年)ポーランドで行われた21歳以下の欧州選手権では中心選手の一人としてプレー。ドイツの若手選手の有望株らしく、シーズン前は複数のビッグクラブで獲得競争が行われたようです。なにしろぼくは海外のサッカー事情に疎いため、この選手がどれだけ有望なのかはわかりません。ダフード選手に関しては、おそらくお読みの方の方がぼくよりずっと詳細な情報をお持ちではないでしょうか。
シリアのハサカ県生まれ。Wikipediaによるとクルド系だそうです(マフムド・ダフード – Wikipedia)。生後1年でドイツに移住して、ずっとドイツ育ち。ですので、記事本文にあるように、ダフード選手本人は自分はドイツ人だという自己認識を有しており、将来、シリア代表のユニホームを着る可能性は低いようです。
ダフード選手の名前のアラビア語表記をカタカナに転換すると、「ダーウード」となります。しかし、すでに日本のメディアでは「ダフード」という表記が定着しているようなので、本ブログでもそれに準じています。(下の写真。右端の選手がダフード選手。2017年9月にロンドンで行われヨーロッパチャンピオンズリーグのトッテナム対ボルシア・ドルトムント戦)
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元記事URL http://www.dw.com/ar/نجم-منتخب-ألمانيا-للشباب-لم-ينس-معاناة-الأهل-والأصدقاء-في-سوريا/a-41427193
掲載紙:DW(ドイチェ・ヴェレ)
掲載日:2017年11月17日
(文中の*は訳注)
年代別ドイツ代表選手 シリアの親戚・友人のことを忘れない
マフムード・ダフードが、両親に連れられて生まれ故郷のシリアからドイツにやってきて20年が経つ。この長い間、また、注目されるサッカー選手として過ごしてきた彼だが、今も、戦災に苦しんでいる母国にいる親戚や友人たちのことを忘れないでいる。
年代別のドイツ代表選手で、ボルシア・ドルトムントに所属するマフムード・ダフードは、自分の生まれ故郷シリアが悲惨な戦争のさなかにあることに胸を痛めている。
「スポーツ・ニュース」のインタビューでこう話している。「シリアの映像を見ると、激しい悲しみがぼくを襲います。ぼくの一番の願いは、シリアに平和と平穏が戻ることです。とりわけ、ひどい苦難を背負いこまざるを得ない状況下にいる人びとのもとにね」
マフムード・ダフードは、シリア北部のトルコとの国境に近いハサカ県のアームーダー村で生まれ、まだ赤ん坊の頃、両親とともにドイツにやってきた。ドイツにいる彼は、シリアに残っている親戚や友人たちの手助けをしようとしている、と言い、こう続ける。「だから、ぼくらは彼らの力になりたい。そして、ぼくらが彼らのことを忘れていないということを彼らに示したいんです」
MFでプレーするダフードは、今年2017年、21歳以下の欧州選手権でドイツ代表として優勝。「マンシャフト(*「集団」という意味のドイツ語。ドイツフル代表チームの愛称)」の一員としてプレーすることを希望しているという。
「このまま努力を続けていけば、いつかその夢は実現することができると思います」とダフードは話す。また、シリア代表ではなくドイツ代表を選んだことについての質問に対してはこう答えている。
「それは単にぼくが、ドイツで育ったからということです。ぼくは自分はドイツ人だと思っています…」
ダフードは今年、ボルシア・メンヘングラートバッハからボルシア・ドルトムントに1200万ユーロで移籍している。メンヘングラートバッハには、傘下のユースチーム、セカンドチームなどを含めて7年間在籍した。
(サラーフ・シャラーラ)