エルサレム首都承認問題 スタジアムでも抗議

アルジェリア
http://www.raialyoum.com/?p=797267より

2017年11月にアメリカのトランプ大統領が、エルサレムはイスラエルの首都だと認めたことに対する抗議運動は、サッカーの試合会場でも行われているようです。今回紹介するのは、アラブのネットメディア「ラーイ・アル=ヨウム」が2017年12月17日付で掲載した記事です。

この問題をめぐっては、2か月経った今も、パレスチナでは死者が出るような激しい抗議行動が続いています。
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ただ、アルジェリアのサッカー会場での抗議行動は、ストレートなものでなく、今回の問題では、サウジアラビアも「共犯」だと主張するものです。事実関係について、ぼくは何も確たる知識を持ちませんが、紹介する記事では、この抗議行動に怒ったサウジ側がアルジェリアを恫喝するため、要人をアルジェに送ったというニュアンスをにじませています。

ただ、今回の記事、サッカーとはほとんど関係ありませんでした。だいたい問題の垂れ幕は国内のいつ行われた何の試合で誰によって掲げられたものなのか、という基本的な事実関係すら明らかにされていません。


元記事URL http://www.raialyoum.com/?p=797267

サウジ アルジェリアを威嚇
スタジアムの国王垂れ幕問題で

掲載紙:ラーイ・アル=ヨウム
掲載日:2017年12月17日

(見出しは訳者による *は訳注)

ドバイ:
アルジェリアで行われたサッカーの試合中、観客のサポーターが、サウジアラビア元首サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王とアメリカのドナルド・トランプ大統領の顔を合体させた大きな垂れ幕をかかげた。サウジ王室は、この問題を決して放置することはしないと強調している。

http://www.raialyoum.com/?p=797267より

アルジェリアの観客は、アメリカがエルサレムをイスラエルの首都と承認したことに対する抗議の一環として、この垂れ幕を掲げた。

複数の活動家らがSNSのツイッター上で、アルジェリアのサッカースタジアムの一つで観客が掲げた垂れ幕の写真を拡散した。写真は大きな垂れ幕に、サウジ、アメリカ両国の指導者の顔が描かれ、顔の横にはアル=アクサー・モスクのイメージも描かれたものだ。また、その下には、英語で「two faces of the same coin」(同じコインに二つの顔)と書かれている。さらに、「ふるさとはわれわれのもの。エルサレムはわれわれのもの」とある。「ロシア・トゥデイ」が伝えた。

在アルジェリアのサウジ大使サーミー・ビン・アブドゥッラー・サーリフ氏は、次のようにコメントしている。

「このことについては現在確認中ですが、必要な措置をとることになります」

「侮辱行為だ」

垂れ幕は、アメリカ大統領が今年(*2017年)11月6日、アメリカはエルサレムをイスラエルの首都であることを承認し、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転することに着手すると発表したことに対する、アラブ諸国の人びとの抗議行動の一環として行われたものだ。アメリカの発表は、これまでのエルサレムの帰属に関する国連諸決議に違反するもので、広範な国際社会から批判を招いている。

アルジェリアでトランプ大統領とサルマーン国王の垂れ幕が掲げられたことについて、サウジ政府は、メディアが、サウジとイスラエルとの間に非公然の関係が樹立されていること、そしてサウジの担当者が何度もイスラエルを訪問していると書き立てていることともあわせて、「侮辱行為」だと受け止めている。

一方、複数の未確認情報によると、「アメリカ政府のエルサレムに関する決定は、サウジからのゴーサインを受けて行われたものだ」と指摘されている。とくに、パレスチナ・イスラエル紛争の解決に関して、アメリカとサウジが「世紀の取引」と呼ばれる調整を行っていると言われている。この「取引」についてはサウジ側はくり返し否定している。

アルジェリアのテレビ局「ナハール」のウェブサイトによると、サウジアラビア諮問評議会(*サウジの立法府)のアブドゥッラー・ビン・ムハンマド・ビン・イブラヒーム・アール・シャイフ議長は、アルジェリアを訪問する。

同ウェブサイトによると、訪問は2017年12月18から21日までの4日間の予定で、アルジェリア国民議会のアブドルカーディル・ベン・サーリフ議長の招きによるものだという。期間中、議会と政府の関係者と会談することになっている。

訪問で、サウジ当局が「侮辱行為」とみなす、アメリカのトランプ大統領と一緒に描かれたサウジ元首サルマーン国王の垂れ幕の件について、話し合われるかどうか、明らかにされていない。

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