今回紹介する記事は、アルワサト・オンライン(リビアを拠点とするネットメディアみたい)が2016年12月17日に配信した、イラクサッカーの国内情勢に関する記事です。
イラクでは現在、ワールドカップ予選をはじめ国際試合(公式戦)を国内で開催できない措置をFIFAから受けています。悪化したままの治安状況を理由とするものです。ですので、ホームアンドアウェー方式で行われるワールドカップ予選では、ホームで試合を行えず、第三国での開催となっています。1試合も自国で開催できないというのは、かなりのハンデと言えます。それでも最終予選にまで駒を進めているわけで、大したものだと思います。
ところが、今月FIFAの調査団がイラクを訪れ、現地状況を点検し、公式戦の国内開催が認められる可能性が出てきました。ファンの間ではSNSを活用した禁止解除運動が起こっているということです。
そうなると、現在のワールドカップアジア最終予選で、イラクと同じ組に入っている日本は、来年(2017年)6月に予定されているイラクのホーム扱いとなる一戦が、イラク国内で行われることになるかもしれません。
その可能性はどれくらい高いなものか、ぼくにはわかりませんが、もしそうなると、日本は一転して大変な状況下でのたたかいに放り込まれることになります。
今回の記事、単語自体は難しいものは少なく、大意はすぐにつかめたのですが、文章構造がわかりにくく(述部がどこなのか判じかねるとか)、かなり大雑把な訳文となっています。省略した箇所もいくつか。アラビア語の峯々はまだ彼方にそびえているといった感じです。
元記事URL:http://alwasat.ly/ar/news/sports/127555/
ハッシュタグは「禁止解除」 FIFAのイラク訪問を前に
2016年12月17日
バウワーバ・アルワサト紙(リビア)
FIFA(国際サッカー連盟)のイラク訪問が近づくとともに、SNSでは、活動家やフォロワーたちが、「♯ぼくたちのスタジアムの禁止措置を解除して」というハッシュタグをつける運動を開始した。彼らはFIFAに対し、イラクのスタジアムの国際試合開催の禁止措置の解除を求めている。
FIFA調査団の訪問はイラクのスタジアムの評価と、FIFAが、治安状況悪化を理由にイラクに課している同国での国際試合開催の禁止措置を解除するかどうか検討を行うためのものである。一方、イラク青年スポーツ省は、バスラのスポーツ都市スタジアム、聖カルバラスタジアム、アルビルのフランソ・ハリーリースタジアムの整備をすべて完了したと発表している。
現在FIFAは、治安状況を理由に公式戦、親善試合ともにイラク国内での国際試合の開催を禁ずる措置を取っている。FIFAは過去、この措置を一部解除して、アルビルのフランソ・ハリーリースタジアムでの試合開催を認めたことがあった。しかし、2014年ブラジルワールドカップ予選のイラク対ヨルダン戦で生じた出来事(注)を理由に再び禁止措置を課している。
イラクのクラブ、アルショルタに所属するエジプト人ゴールキーパーコーチ、イマーム・アブドゥル・アール氏は、本紙の取材に対し次のように話している。
「イラクの人たちは、サッカーのことが大好きなんだ。通りのあちこちでは子どもたちがボールで遊んでいるよ。またイラク人選手には本当にすぐれた才能を持っているね」
(注)Wikipediaによると、「警備体制が、FIFAの基準を満たしていなかったことがその理由である」とのことです。