長く無観客試合を行ってきたエジプトの国内リーグで、今年(2018年)2月から、観客の入場を認められることになりました。
ロシアワールドカップへの出場を28年ぶりに決めているエジプト。おそらく国内は大変盛り上がっていることだと思いますが、国内リーグの試合では観客の入場が長く認められていませんでした。スタジアム内外でサポーターによる騒乱事件が続いたことが原因です。
「アラブの春」により政権交代を成し遂げたエジプトでは、以後混乱が続き、2012年には、試合終了直後、サポーターどうしの衝突により70人以上が死亡するというとんでもない事件が起こり、入場禁止措置が取られました。この措置は2015年に一部解除されたのですが、解除された初っ端の試合で、またも死者20人以上出す事件が起こったため、再度入場は禁止となり、これがずっと継続していました。
それが、今年2月に再度一部解除することになったようです。ただし、リーグ戦で入場が認められる観客は300人まで。また、これがよくわからないのですが、アル=アハリーという国内随一の人気チームの試合のみ、5000人まで認められることになったとのことです(いくら人気チームだからといって、他のクラブがよく認めたものだと思います)。
これまで、解除したことによって事件が発生したというニュースは聞いていません。今後段階的に解除度合いを上げていくことになるとされています。
元記事URL:
観客入場解禁、悪質サポーターへの制裁
連盟とクラブ、300人入場許可で合意
アル=アハリーの試合は5000人まで
掲載紙:ヨウム・サービウ
掲載日:2017年2月11日
執筆者:アフマド・ターリク
飢餓のような思いをしてきたここ数年、いや正確には2011年以来、「スタジアムの魂」ともいうべき観客の姿は、スタンドから消えていたが、サッカー連盟と各クラブは、過去発生した非常事態の再発防止のため、悪質サポーターに対して厳しい規定を設ける一方、新たに、観客の入場を段階的に解禁していくことで合意した。今回の措置は、観客入場の完全解禁に向けての「ゴーサイン」だと見られている。
エジプトサッカー連盟のハーニー・アブー・リーダ会長は、本日(*2018年2月8日)、各クラブの会長を集め連盟の運営委員会とともにリーグの総会を招集し、すべてのクラブに対して厳しい規定措置を取ることへの誓約と、試合への観客入場解禁に関して討議した。
連盟運営委員会は、プレミアリーグ(*エジプトのトップリーグ)の担当者とともに、2部リーグの試合では1000人以下の観客の入場を解禁する提案についての検討も行った。
観客解禁で段階的合意
討議を経て、サッカー連盟は、プレミアリーグのクラブとの間で、明日以降の試合からリーグ戦の試合では観客300人の入場認めることで合意した。また、アル=アハリーSCの幹部ハーリド・ムルタギー氏は、2部リーグでも300人の観客入場を認めることを明らかにした。来シーズンはこの人数を増やすことになるという。
アル=アハリーの試合とカップ戦では5000人まで
アル=アハリーのハーリド・ムルタギー氏によると、アル=アハリーの試合と、第16回エジプトカップに関しては、入場は5000人まで認めることでも合意したという。また、カップ戦では、試合ごとに事前に入場者数を決めて行うことになるという。
悪質サポーターには厳しく対処
また、本日のサッカー連盟とクラブ会長との会合の後、ザマーレクSCのムルタダー・マンスール会長は、悪質なサポーターについては5試合入場を禁止し、騒動をくり返した場合は、シーズン終了まで禁止する措置をとることでも合意したことを明らかにした。
サッカー連盟運営委員会のマグディー・ガンニー氏によると、今後、いかなる逸脱行為にも制裁を適用するスポーツ法の制定を行うことになり、同法は騒乱行為がいかなるものであろうと刑罰を処すものになるという。