イラク対イラン戦の激闘

イラク
ナジャフで試合を観戦するイラク人サポーター https://www.bbc.com/arabic/sports-50417977 より

W杯アジア2次予選第5節(2019/11/14)で、大きな注目を集めた試合の一つはグループCのイラクーイラン戦でした。

ご存じの通り、現在イラクでは多数の死者を出す大規模な反政府デモが続いており、そのデモの中では反イランのスローガンが叫ばれることもあります。

試合は当初イラクのバスラで行われるはずでしたが、デモ激化を理由にヨルダンのアンマンに変更して開催されました。試合は、イラクが後半アディショナルタイムに勝ち越し点を挙げ、劇的な勝利を飾っています。

ダイジェスト映像を見るだけでも、異様な興奮状態が伝わってくるようであり、これがもし予定通りイラク国内で開催されたらどんなことが起こっていただろうと、心配になるほどです。試合の様子はデモ隊が集まるバグダッドのタハリール広場でもパブリックビューイングが行われたようです(来年6月のイランのホームでの試合もえらいことになりそう)。

動画:イラク対イラン戦ダイジェスト

動画:タハリール広場で勝利を喜ぶ人々
https://www.facebook.com/sharqiyatv/videos/2415947431990155/

ダイジェスト映像には、イラクが先制点を挙げた後、喜ぶイラク代表メンバーの中に、マスクをした選手が一瞬映っています。デモとマスクといえば、香港のそれが知られていますが、世界各地のデモでもマスクをつけることがどうやら最近流行っているらしく、試合前にはイラクサポーターはSNSなどを通じて、応援に向かう予定のイラク人に対し、スタジアムではマスクをつけようと呼びかけていたようです。

なお、イラク国内のデモには、代表チームの何人かの選手やコーチらも参加、もしくは連帯を表明しています。

◆第5節(2019/11/14)終了時点でのグループCの順位

順位 チーム   勝点
1  イラク   10
2  バーレーン  8
3  イラン    6
4  香港     2
5  カンボジア  1

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イラク、緊張感あふれる試合でイラン下す

掲載紙:BBCアラビア語版
掲載日:2019年11月14日
URLhttps://www.bbc.com/arabic/sports-50417977

本日(2019年11月14日)午後、W杯アジア2時予選グループCの注目の一戦、イラク-イランの試合がヨルダンのアンマン国際スタジアムで行われた。イラクが7分間のアディショナルタイムを経てイランを2−1で下した。

試合は11分、イラクのムハンナド・アリーの先制ゴールで始まり、25分、アフマド・ヌール・ラヒーのゴールでイランが同点に追いつく展開だったが、90分、アラー・アッバースが勝ち越しゴールを決め、イラクがイランを2−1で破った。

これでイラクはイランとの勝点差を4に広げ、グループCのトップの座をキープ、一方、イランは最終予選に進めず、2次予選で敗退しかねない状況となった。現在、グループ1位はイラクで、それにバーレーンが続き、イランは3位にとどまっている。

ナジャフで試合を観戦するイラク人サポーター https://www.bbc.com/arabic/sports-50417977 より

試合は、当初イラクのバスラ国際スタジアムで行われる予定だったが、現在イラクで広がっているデモなどの抗議行動のためアンマンに変更されて行われた。この抗議行動では、数千人の負傷者だけでなく、数百人もの死者を出している。

隣国どうしの対戦となったこの試合は、イラクのデモ参加者たちがイランに対して「イラクから手を引け」と要求していることもあり、両国内で大きな注目を集めていた。

イラク代表の大勢のサポーターはSNSを通じて、ヨルダンにある大きなイラク人居留区からこの試合をスタジアムで観戦するイラク人に対して、スタンドではマスクを着用したり、イラクで行われているデモで叫ばれているスローガンを唱和することなどを呼びかけていた。

シュルタSC(バグダッドをホームとするクラブ)に所属し代表チームのメンバーであるサファー・ハーディーは試合前、イラクのテレビ局スーマリーヤの取材に対し、「次のイラン戦では勝利するために戦う」と強調して話した。

AFP通信によると、バグダッド・タハリール広場のデモ参加者の一人は、「試合が始まれば、イラク代表のサポーターがいるのはアンマンのスタジアムだけではない。タハリール広場の全員がサポーターになるはずだ」と話していた。

また同通信社は別の活動家の話として次の言葉を報じていた。「もし、イラク代表がイラン代表をやっつけたら、あちこちの通りには大勢の人がデモのために通りに出ることになるだろうし、また、デモ参加者の士気を大いに高めることになるだろう」

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