FIFAが7年ぶりにシリア訪問 国際試合解禁はまだ先の話

昨年(2019年)末、FIFAがシリアを訪問し、競技環境の現場を視察していたようです。

シリアでは戦争が始まった2011年以降、代表レベル、クラブレベルを問わず、国内での国際試合の開催が禁止されています。そのため、たとえば、W杯予選では、ホームでの試合が行えず、前回ロシアW杯予選では、ホーム扱いの試合をマレーシアで、今回の予選ではUAEで行なっています。また、チーム強化のためのテストマッチなどをするにも、国外に出ていかなければならないのが現状です。

シリア国内での国際試合開催が近く解禁されるのでは、との憶測は、数年前から何度か流れてきていました。しかし、現実には何も変わっていません。おそらく今回のFIFAの視察も、すぐに事態が変わるものではないようです。

ネットメディア「イナブバラディ」は2020年1月15日、FIFAのホームページにその前日にアップされた報告書を引用する形で、今回の訪問について報じています(“الفيفا” يزور سوريا للمرة الأولى منذ 2012 – عنب بلدي)。

それによると、2019年12月、ドバイに本拠を置くFIFA地域発展事務所のメンバー2人がダマスカスを訪問。目的はシリアサッカー連盟の役員選挙の立会いと、シリアの競技環境を評価するため。これは「2012年以来初めてのFIFAの訪問」だということです、ところが、確か2018年にもFIFAの担当者がシリアを訪問していたはずですが、あれはなんだったのか(イラクに続きシリアでも国際試合解禁か – 中東 フットボールと人びと)。

また、「イナブバラディ」の記事で奇妙というか、面白いのは、サッカー連盟の前会長はこれまでメディアに対して、FIFAは近くシリアを視察して国際試合禁止措置を解除することになろう、と明言していたことを紹介しています。それだけでなく、解禁の条件として、安全の確保、FIFAおよびAFCの基準を満たすスタジアム施設の整備、最寄りの空港からスタジアムまでのアクセスなどがあがっているとまで言っていたのです。

ところが、去年12月の連盟の役員選挙で会長に選出された、ハーティム・ガーイブ新会長は就任直後の記者会見で、前執行部はこの件についていかなる措置も講じていないと、否定したというのです。また、これは新会長が別のメディアに語ったところでは、現状、シリアにはFIFAの基準を満たすだけの施設は存在しないとも言っています。組織の幹部が変わったからと言って、説明がこうまで変わってしまうものなんでしょうか。

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