今回紹介するのは、ロシア紙「RT」が、トルコのアナドル通信社の記事を元に2017年7月27日に配信した、FIFAが裁定したカタールなどの各国サッカー連盟に対する制裁措置に関するものです(الـ (فيفا) يغرم قطر ويحذرها من استخدام شعارات سياسية – RT Arabic)。
こう暑いと、見るからに暑苦しいアラブ人に関するニュースを、やはり暑苦しいアラビア語で読む気になれません。しかし、うかうかするとアラビア語からどんどん遠ざかり、気がついたときにはアラビア語を何もかも忘れてしまいそうなので(過去に何度も経験あり)、このブログを更新することで、なんとかこの言葉にくらいつて行こうと思っています。
久しぶりなので、今回は短めで、単純な内容の記事を選びました。カタールサッカー協会に対する制裁については日本のメディアでも報道がありました。スタジアム内で選手やサポーターが政治的な表現を行ったことに対する制裁ですが、ぼくには逆に、これは政治的な圧力によってなされた制裁のように見えます(参考 カタール代表選手が首長支持のTシャツ着用、FIFAから懲戒処分か 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News)。
今回の記事で注目すべきなのは、カタールに対する制裁ではなく、アルゼンチン、ブラジルに対するそれではないかと思います。世界のサッカーを牽引するような2大国では、日常的に対戦相手を侮辱する行為が行わているというのは、ひどく情けない現状だというほかありません。
元記事URL https://arabic.rt.com/sport/890896-فيفا-يغرم-قطر-ويحذرها-جراء-شعارات-سياسية/
FIFA、政治的なイラスト使用でカタールに警告と罰金を課す
掲載紙:RTアラビア語版
掲載日:2017年7月27日配信
執筆者:ナーイフ・クールディー
本文中カッコ内の✴︎は訳注
国際サッカー連盟(FIFA)は木曜日(✴︎2017年7月27日)、2018年にロシアで行われるワールドカップ予選での出来事を理由に、いくつかの連盟に対し、罰金を課す決定を行ったことを発表した。
FIFAの公式ホームページによると、FIFAの制裁委員会は、カタールサッカー協会に対し厳しい表現による警告を発したうえで、5万スイスフラン(5万1800ドル)の制裁金を課すことを決めた。去る6月14日、ドーハのアルサッドスタジアムで行われた韓国戦の前に、アンナービー(✴︎カタール代表の愛称。ユニホームの色にちなんで「えび茶色」という意味)の選手たちが、シェイフ・タミーム・アスナー・タマーリーン(✴︎カタールの元首)のイラストがプリントされたシャツを、また、サポーターもカタール皇太子(✴︎首長の間違いか)をプリントしたシャツを着用していたことに対する処分である。
さらに、ハサン・ハイドゥース選手については、非スポーツ的行為を理由に5000スイスフラン(5180ドル)の罰金を課した。同選手は、この試合でゴールを決めた際、サポーターの一人からそのシャツを受け取り、頭上に掲げていた。
また、FIFAの制裁委員会はアルゼンチン協会に対しても、対チリ戦の試合開始時刻の遅延を理由に3000スイスフラン(3110ドル)の罰金を、さらに、パラグアイ戦での観客による侮辱的なシュプレヒコールを理由として1万5000スイスフラン(1万6000ドル)の罰金を課した。さらには、コロンビア戦でもタンゴのリズムで同様のシュプレヒコールをくり返したとして罰金を加算した。
ブラジル協会に対してもエクアドル戦の試合開始時間の遅延、コロンビア、ボリビア、パラグアイとの各試合での観客による侮辱的なシュプレヒコールを理由に罰金9万8000スイスフラン(10万ドル)を課す決定を行った。
FIFAはトルコ協会に対しても、ウクライナ、カザフスタン、フィンランドとの各試合において、観客が空き瓶を投げつけたり、ピッチに乱入するといった騒乱行為を理由に、1万3000スイスフラン(1万4000ドル)の罰金を課した。(アナドル通信社)