今回紹介するのは、BBCアラビア語版が2017年6月28日に配信した、スーダンサッカー連盟の内紛を理由に、FIFAが資格停止処分を決めたことに関する記事です(الاتحاد الدولي يعلق نشاط كرة القدم في السودان – BBC Arabic)。
ブログを始めて2年以上になりますが、スーダンに関する記事は初めてです。アフリカに対するイメージ(偏見)に、「腐敗」「混沌」「無秩序」といったものがあると思いますが、残念ながら今回の記事は、そういったイメージを補強するかのような内容です。
もうずいぶん前に、スーダンの首都ハルツームとその周辺を1週間だけ旅行したことがあるのですが、実際のスーダンはとってもいい国でした。中東の人びとの、人の良さといいますか、ホスピタリティーの高さは各国共通してますが、スーダン人のそれは群を抜いている、というのが、ぼくの印象でした。また、意外なことに女性の社会進出も(日本に比べて)かなり進んでいるように感じました(役所や銀行では大勢の女性が働いている、管理職風の人もめずらしくなかった)。
さて、その後のFIFAの処分はどうなったか、ざっと調べてみました。
予告通り、FIFAはスーダン連盟に対して今年6月末をもって資格停止処分をくだしました。アフリカサッカー連盟のホームページによると、同日の、アフリカチャンピオンズリーグのグループリーグ最終戦、アル=ミッリーフとアル=ヒラールとのスーダン対決は予定通り行われ、アル=ミッリーフが2ー1で勝利。
翌日のアフリカコンフェデレーションカップのグループリーグ、ヒラール=アブヤド対リクリアティーボ戦も予定通り行われてたようで、2−0でヒラール・アブヤドが勝っています。ただし、7月9日に行われたグループリーグ最終戦には、ヒラール・アブヤドの出場は認められず没収試合となっています。
チャンピオンズリーグの2チームは、資格停止処分がなくてもグループリーグで敗退していましたが、コンフェデカップのヒラール・アブヤドの方は本来なら決勝トーナメント(ベスト8)に進出できていた成績でした(CAF – Home)。
ところが処分から6日後、スーダン政府側がFIFAの要求を受け入れる決定をしたとして、FIFAは処分を撤回したとのことです(スーダン、6日でFIFA資格復活…しかしクラブが悲しすぎる状況に)。1週間足らずで解決できるのだったらなぜはじめからそうしなかったのか。腹立たしい話です。政府や連盟のお偉方の内紛に、サッカーと選手、ファンが犠牲になったということですかね。
元記事URL http://www.bbc.com/arabic/sports-40432404
FIFAがスーダンを資格停止処分
掲載紙:BBCアラビア語版
掲載日:2017年6月28日配信
国際サッカー連盟(FIFA)は、「競技に対する政府機関の介入」を理由に、スーダンの資格を凍結することを決めた。
ハルツームのBBC記者ムハンマド・ムハンマド・ウスマーンによると、FIFAは、スーダン当局に対し、6月末までの猶予を与え、同国サッカー連盟本部からの退去するよう求めている。現在本部には、FIFAが承認していない選挙で当選したと主張する一派が占拠している。同派は、スーダン法務省の決定に基づき、FIFAが承認するムウタシム・ジャアファル派を追放、以後スーダンのスポーツ活動を管轄し続けている。
スーダンでは現在、ナショナルチームに加え、アル=ミッリーフとアル=ヒラールがチャンピオンズリーグに、ヒラール・アブヤドがコンフェデレーションカップに出場するなど、国内3クラブがアフリカサッカー連盟主催大会に参加している。
3チームはいずれも各大会のグループリーグに駒を進めている。資格凍結が行われる日には、チャンピオンズリーグ最終戦で、アル=ミッリーフとアル=ヒラールというスーダンの強豪チームどうしの対戦が予定されている。また、その翌日の土曜日には、コンフェデレーションカップで、ヒラール・アブヤドがホームでアンゴラのリクリアティーボと対戦することになっている。
スーダン陸軍の退役将軍サル・ハトゥム派と、FIFAが承認するムウタシム・ジャアファル派との抗争は、同国のサッカーを誰が管轄するかをめぐって勃発した。
サル・ハトゥム派はすでに、司法の決定に基づき警察権力を使って連盟の建物を占拠しているが、FIFAはこれをスポーツ活動に対する政府の介入だと見なしている。
FIFAの代表団が今月(2017年6月)中旬、ハルツームを訪れ、現在の危機克服のための工程表を提示している。工程表は、サル・ハトゥム派を連盟の本部建物から排除し、今年10月に行われる選挙まで、ムウタシム・ジャアファル派にスポーツ活動に関するあらゆる権限を与えることを定めている。
ムウタシム・ジャアファル派はこの工程表受け入れに同意しているが、サル・ハトゥム派は拒否している。