今回紹介する記事は、2016年10月16日に「アルアーラム」紙が配信した、シリアが誇るストライカー、オマル・アルスマ選手に関するものです。
アルスマ選手は、戦時下のシリアを離れ、現在サウジアラビアのアルアハリーという名門クラブでプレーし、そこでも相変わらずゴールを量産していますね。
ワールドカップ予選を戦うシリア代表にとって、もっとも重要な戦力の一人です。しかし、政治的な事情もあり、アルスマ選手は長くシリア代表への招集に応じていません。同時に、サウジに帰化するのではないかとのうわさはこれまで何度も流れていました。
今回の記事は、同様のことが複数のメディアでも報じられていましたが、続報がいっこうに出てこないので、また単なるうわさ話に過ぎなかったようです。
だいたい、アルスマ選手は過去、シリア代表として公式戦に何試合か出場していますので、たとえ国籍を変更したとしても、FIFAの規定でシリア以外の国の代表としてプレーする資格はありません。ですので、この記事の冒頭に出てくる「情報筋」の情報は眉唾ものというべきものです。
シリアがワールドカップの予選を勝ち進めば、アルスマ選手がシリア代表に復帰することもあるかもしれないと思っていましたが、どうも実現する可能性はなさそうですね。現在27歳。豊かな才能を持つ選手がワールドカップと無縁というのは、残念なことです。
元記事URL:
http://www.alalam.ir/news/1872443
アルスマ、サウジ国籍を取得か?
2016年10月16日
アルアーラム(イラン)
サウジアラビアの情報筋は、アルアハリー・クラブに所属するシリア人FWオマル・アルスマ選手は現在、サウジアラビア代表になるためのFIFAが定める条件をすべて満たしていると述べた。アルスマ選手がサウジ代表になることに合意すれば、ただちにサウジのパスポートが与えられるという。
ツイッターでサウジ市民局の建物の中にいるオマル・アルスマ選手の写真が拡散されている。この写真はアルスマ選手のもので、同選手自身がインスタグラムに掲載した。写真にはこんなコメントが付されている。
「サウジ市民局のサービスは最高だ」
これを見た人びとは、アルスマ選手がサウジのパスポートを取得し、これにより2018年のロシア・ワールドカップの出場権をかけた予選に、サウジ代表として参加する権利を得たのではないかと推測している。
また、アルスマ選手がサウジスポーツ機構事務局長のアブドゥッラー・ブン・ムサーイド王子ともに写った写真は、同選手がサウジ国籍を取得したのではないかという憶測をさらに呼ぶことになった。この写真は、ワールドカップのアジア最終予選のサウジ対UAEとの試合の際撮られたもので、アルスマ選手は、同じ日に行われたグループAでカタールと対戦するシリアを応援するためドーハに向かう代わりに、この試合を観戦することを選んでいた。
高度なテクニックを持つアルスマ選手は、比類のないスタイルを有するFWとして活躍しており、サウジリーグの得点王も獲得している。その結果、アルスマ選手の帰化を望む声は、サウジのスポーツ好きの人びとの間で高まっている。