アルジェリアの「ハリルホジッチ留任」運動

アラビア語紙の記事の特徴、見出しと本文の内容が違いすぎるという点については、すでに書いたかと思いますが、今回もそれを痛感させられた記事です。2015年3月から日本代表を指揮しているハリルホジッチ監督に関するもの。

ハリルホジッチ氏は、2014年のブラジルでのワールドカップではアルジェリア代表を率い、同国初の1次リーグ突破を達成しました。ベスト16では優勝したドイツに延長戦の末敗れたとはいえ、巨大な相手に対して、ひるむことなくチーム一丸となって挑み続けた姿に、見るものは驚かされたものです。また、試合後、強面のハリルホジッチ監督が選手たちを抱き寄せて、泣きながら讃えているシーンには感動させられました。ドイツ─アルジェリア戦は大会全体を通して最も感動的な試合の一つだったと思います。

ハリルホジッチ監督の契約期間はワールドカップまでだったのですが、この試合直後からアルジェリアでは「ハリル残れ」という留任運動が開始されました。今回紹介する記事はそのことに触れた記事です。現日本代表監督でもあるし、実に興味深そうな記事。

ところが、記事には、どういう人たちがどんな思いでどんな運動を展開したのかという具体的な記述はいっさいなく、訳し終わってみてがっくり。アラビア語紙にまたしてもいっぱい食わされたかっていう感じです。

なお、アラビア語紙ではどのメディアも、ハリルホジッチ監督のことを「ボスニア人」としていますが、正しくはヘルツェゴビナ人ですし、現在の国籍はフランスです。

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(写真 http://www.al-sharq.com/news/details/252746#.VZsey1ztobgより)


元記事URL:

الشرق – حملة بعنوان “خليلو ابقى” من أجل الإبقاء على مدرب الجزائر

アルシャルク

2014年7月1日

アルジェリア代表監督留任求め「ハリル残れ」運動開始

ファンらは、現在ブラジルで行われているワールドカップのベスト16で敗退したものの、ドイツを相手に驚異的なパフォーマンスを示したアルジェリア代表監督であるボスニア人のバヒド・ハリルホジッチ氏の監督の留任を求めている。

昨日月曜日、アルジェリアが延長戦の末、過去3度の優勝を誇るドイツに1対2で敗退した。ハリルホジッチ監督は大会をもって契約を終了、代表監督を離任することになっている。アルジェリアは1982、1986、2010年と過去3回ワールドカップ本大会に出場しているが、1次リーグを突破したのは初めてのことだった。

ハリルホジッチ氏はトルコのクラブチーム、ブルサ・サブールの監督就任が噂されている。一方、アルジェリアサッカー連盟は次期代表監督として、フランス人のクリスティアン・グルキュフ氏と契約を結ぶとの報道がくり返しなされている。グルキュフ氏はワールドカップでのアルジェリア代表の試合を視察しているが、昨シーズンをもってフランスのFCロリアンの監督を離任した同氏は、アルジェリアサッカー連盟との契約に関して、コメントを拒否している。

アルジェリアのファンたちはツイッターやフェイスブックといったSNSを通して、「ハリル残れ」と題した運動を始め、サッカー連盟のムハンマド・ラウラーワ会長にボスニア人監督との契約を継続するよう圧力をかけている。

アルジェリア代表の戦績は、3年前にハリルホジッチ氏が監督に就任して以降向上している。同氏は、2011年6月にマラケシュで行われたアフリカネーションズカップの予選で、アルジェリアがモロッコに0対4の大差で負けたあと解任されたアブドゥル・ハック・ブン・シャイハ氏の後任として監督に就任した。

しかし、アルジェリアサッカー連盟は、すでに次期監督としてフランス人のグルキュフ氏を指名することを決定しており、ここ数日以内に契約締結を発表する見通しである。

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