カタールW杯アジア2次予選、シリアが入るグループAの残り試合は、中国・蘇州で6月(2021年)に集中開催されることになっていましたが、昨日(5月31日)、AFC(アジアサッカー連盟)は開催地を中国からUAEのドバイに変更すると突如発表しました。
理由は、同じグループのシリア、モルディブの選手からコロナ感染者が出ており、「中国の体伝周報(Titan Sports)によると、両国の代表はUAEに入っているものの、中国へ出発する許可が得られなかった」とのことです(W杯予選、コロナ影響で集中開催地を中国からUAEに変更 国際ニュース:AFPBB News)。
シリア代表は5月からドバイで長期合宿を行っており、現在も滞在中。また、この2次予選では、シリアの「ホームゲーム」はすべてドバイで開催されていました。なので、今回の決定は、シリアにとって完全アウェーの地となる中国に長距離移動しなくていい上に、比較的に慣れた環境でたたかえるわけで、負担が軽減される変更だったと言えるかもしれません。
攻守の要サーリフとスーマの離脱
しかし、コロナ感染とは別に、現在シリア代表はケガのため、チームを離脱する選手が続出し、窮地に陥っています。
「RT」アラビア語版(إصابات بالجملة داخل المنتخب السوري – RT Arabic。2021年5月31日配信)によると、数日前のアブドゥッラー・シャーミー(DF。フハイヒール=クウェート)を皮切りに、マーヒル・ダアブール(MF。ワスバ)、アブドゥルラフマン・バラカート(FW。ムハッラク=バーレーン)の長期離脱が発表されました。
これに追い討ちをかけるように、チームの攻守の屋台骨を支えるアフマド・サーリフ(DF。アラビー=クウェート)とオマル・スーマ(FW。アハリー=サウジアラビア)の二人の負傷離脱も明らかとなっています。
2次予選で、ライバル中国に勝点差5をつけてグループ首位を走るシリア。残り試合はあと3。モルディブ(6月4日)、グアム(6月7日)、中国(6月15日)と続きます。
シリアとモルディブ、グアムとの戦力差は明らかなので、最終戦の中国との直接対決前におそらく3次予選進出を決めている可能性は高いとは思います。しかし、はじめの2戦のいずれかで負けるか、引き分けということになると、状況は一気に変わってきます。
そういう意味では、注目すべきは中国戦よりむしろモルディブ、グアム戦だと思います。
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