今回は、2021/2022シリアプレミアリーグの各チームの戦力状況について、「アラブ」(2021年8月13日配信)に掲載された「الدوري السوري ينطلق بمتغيرات جديدة | | صحيفة العرب」から紹介します。人名ばかりの記事で、読んで面白いものではありませんが、各チーム網羅的に整理してくれていますので、備忘録として書き留めておきます。
トルコ占領下クラブの参戦
今シーズンはすでに8月13日に開幕しています(2節を終えたところでW杯予選のため現在中断)。リーグ戦は、例年同様、14チームによるホーム&アウェーで争われていますが、昨シーズン13、14位だったサーヒル(タルトゥース)、フッリーヤ(アレッポ)が1部リーグに降格し、14シーズンぶりにアフリーン(アレッポ県アフリーン)、2シーズンぶりにナワーイール(ハマ)が昇格しています。アフリーンSCのホームタウンはトルコと国境を接するアフリーン市ですが、現在トルコ軍の占領下にあるため、本拠をアレッポ市内に一時的に移して活動を続けています。
また、昨シーズンの途中から試合は新型コロナウイルス感染対策で、無観客で行われていましたが、新シーズンは制限なしに有観客での実施、また、当該チームの要望があればナイトゲームで開催することが決まっています。
4チーム降格、来シーズンから12チーム制
戦力状況に入る前に、今シーズンの重大なレギュレーションの変更について。
「アラブ」によると、成績下位4チームが1部リーグに降格するとされています。1部リーグからの昇格は従来通り2チームなので、来シーズンは12チームで構成されることになります。12チーム制はその後のシーズンも固定される予定です。
14チーム中4チームが降格するというのは、かなり厳しいですね。例年以上に激しい降格争いがくりひろげられることになりそうです。
監督大移動
「アラブ」によると、14チーム中、12チームが新監督のもとでリーグ戦をスタートしています。留任は、フトゥーワ(デリゾール)のアンワル・アブドゥルカーディル、ナワーイールのハーリド・ハワーイニーの二人のみです。
変更となったチームの監督は以下の通り。
ティシュリーン(本拠地ラタキア。以下同様):ターリク・ジャッバーン・カーディル(前任者マーヒル・バフリー。以下同様)
ジャイシュ(ダマスカス):アフマド・アッザーム(ラーファト・ムハンマド)
カラーマ(ホムス):アブドゥルカーディル・リファーイー(アフマド・アッザーム)
ワフダ(ダマスカス):マーヒル・バフリー(アイマン・ハキーム)
フッティーン(ラタキア):アブドゥルカーディル・ムカイヤス(ディラール・ラダーウィー)
タリーア(ハマ):フィラース・ファーシューシュ
ジャブラ(ラタキア県ジャブラ):ジアード・シャアブー(アンマール・シャマーリー)
イッティハード(アレッポ):アニス・サーブーニー(イルシル=ブラジル人)
シュルタ(ダマスカス):ムジャンマド・シャディード(ムスアブ・ムハンマド)
ワスバ(ホムス):アンマール・シャマーリー(ムハンマド・ハラフ)
ハルジャラ(ダマスカス郊外県ハルジャラ):ヤーセル・ムスタファー(フィラース・ムサウサス)
アフリーン(アレッポ県アフリーン):アフマド・ハワーシュ(ウサーマ・ハッダード)
国外に移籍した選手
また、「アラブ」によると、今期も大勢の有望選手がバーレーン、カタール、クウェートなどのアラブ諸国のクラブに移籍を果たしています。
ワフダからは、ウサーマ・オーマリー、ムアイイド・アッジャーン、ユーセフ・ムハンマド、ハミード・ミドの主力4選手が、ティシュリーンからは、ムハンマド・マルムール、ハーリド・クルダグリー、マーヒル・ダアブールの3選手がそれぞれ移籍しています。
昨シーズン得点王のタイトルを獲得したジャブラのムハンマド・バフル(ジャブラ)、イッティハードのサイドバック、アフマド・アシュカル、フッティーンのストライカー、マルディーク・マルディキヤーンもシリアプレミアリーグから離れました。
積極的補強ワフダ
「アラブ」によると、最も活発に補強に動いたのは昨シーズン4位で、今シーズン優勝候補にあげられているワフダです。
クウェートのアラビーからセンターバックのアフマド・サーリフをはじめ、ティシュリーンのサイドバック、ユーセフ・カルファー、タリーアのハーリド・ムバイイドら代表クラスの選手の獲得に成功しています。3選手以外にも、フッティーンからDFフセイン・シャイーブ、イッティハードからFWラーファト・ムフハディー、ジャイシュからクサイ・ハビーブが加わっています。
主力の大半が残留ティシュリーン
昨シーズンチャンピオンのティシュリーンは、主力選手の多くがチームに残留しています。GKアフマド・ムドゥニーヤ、DFナディーム・サッバーグ、オマル・ライハーウィー、サイドバックのカーミル・ハミーシャの他、バーシル・ムスタファー、カーミル・カウワーヤ、ムハンマド・マールターの3人の前線選手はいずれもチームにとどまりました。
一方、カラーマからMFヌスーフ・ナクダリー、ジャイシュからDFユーセフ・ハムウィーといった代表クラスの選手やハルジャラからFWヌール・ハラビーといった選手を補強し、戦力を強化しています。
ジャイシュも積極補強
「アラブ」によると、昨シーズン2位で、国内最多タイトル17を保持しているジャイシュも優勝候補の一つです。
ワフダからマージン・イース、ワスバからラーミー・アーミルという両サイドバックが移籍、カラーマからミーラード・ハマド、シュルタのFWオマル・トルクなど多くの選手を獲得し、戦力強化をはかっています。
今季カラーマは優勝候補
昨シーズン鮮やかな復活を遂げ、3位に食い込んだカラーマは、今シーズン優勝候補の一つに数えられています。
「アラブ」によると、アムロー・ジュニヤート、ターミル・ハーッジの代表クラスのメンバーを含め、ほとんどの主力選手が残留しました。同時に、フッティーンのGKで代表のシャーヒル・シャーキル、タリーアからベテランFWのアフマド・アミール、フッティーンからサイドバックのアフマド・シャマーリーと代表DFのアブドゥルマリク・アニーザーンなど多くの選手を獲得しました。
若手中心で挑むイッティハード
「アラブ」によると、昨シーズン7位に終わったイッティハードは、新たに多くの伸び盛りの若手選手を獲得してクラブの新しい歴史を作ろうとしています。シュルタからサーミル・ハーニカーン、ワフダからイードゥル・シャルハの2人のFW、タリーアのサイドバック、ムハンマド・ミド、1部に降格したサーヒルのDFアフマド・カッラーシーといった選手たちです。
これら以外のクラブ、ワスバ、タリーア、ナワーイール、シュルタ、ジャブラ、フッティーン、フトゥーワ、アフリーン、ハルジャラもすぐれた選手を補強していますが、現実的には、中位争い、あるいは降格阻止を目標としたたたかいを行うことになろうと、「アラブ」は予想しています。
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