「イスラム国」から殺害予告? ザマレク会長明かす

 

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(写真:http://aawsat.com/home/article/289616/رئيس-الزمالك-«داعش»-تهددني-بالقتل-وسأحارب-الفسادより)

2015年、エジプトで起こったザマーレククラブのサポーターと警官隊が衝突し多数の死者を出した事件の続報。

クラブの会長がびっくりするようなことを発言しているから、興味を持って読んでみたのですが、少なくとも「イスラム国(アラブ圏での一般的な呼称は「ダーイシュ」)」による殺害の脅しを裏付ける具体的なことは何も言っていませんでした。

アラビア語紙をこれまで読んだ印象として、見出しと本文とがかなり食い違うケースがよくあります。

この記事で興味深いのは、クラブ会長の発言より、死者が多数出ている事件発生にもかかわらず試合を強行したことに対して、抗議しチームから離脱した選手がいたことです。

この選手がその後どうなったかについての記事も探してみたいと思います。

元記事

http://aawsat.com/home/article/289616/رئيس-الزمالك-«داعش»-تهددني-بالقتل-وسأحارب-الفساد

シャルク・アウサト 2015年2月14日

ザマーレク会長
「ダーイシュ」から殺害の脅迫を受けるているが屈しない。

 

エジプトのザマーレク・クラブのムルタダー・マンスール会長は、イスラム国(ダーイシュ)から脅迫を受けていることを明らかにした上で、クラブとエジプトスポーツ界の改革、そして邪悪な者たちとのたたかいを断念することはないと語った。また、とくに、社会の安定の破壊とスポーツ活動の妨害を企てる連中の存在についても言及した。

マンスール会長のこの発言は、昨日の土曜日、クラブで開かれた記者会見のぶら下がり取材の中でなされたもの。この記者会見は、ザマーレクが、トップチームを指揮するテクニカルディレクターとして、ポルトガル人のジュスワルド・ヴィエイラと6か月間の契約を締結したことを発表するために開かれた。

マンスール会長は、「新しいテクニカルディレクターは、悪意あるいくつかの声に従うことを拒否したのです。その声とは、エジプトで起こったいろんな事件を理由にかれにエジプトに行くのはやめるよう求めるものでした」と述べた上で、こう強調した。

「エジプトと中東地域における2つのビッグクラブ、つまりザマーレクとアルアハリーの破壊を試みようとする、ある見えざる手が存在しています」

一方、ヴィエイラ監督(68歳)は、契約期間の間にこのチームをより強く、すぐれたものにするサポートのためチーム強化を行うことに同意したことを強調し、次のように述べた。「
われわれはチームの真の意味での助けになるよう努めるつもりです。わたしはコーチとしてすでに40年間のキャリアを持っており、いくつかのビッグクラブでの指導も経験しています。ザマーレクを契約したのもこのクラブがたいへんなビッグクラブであるからです」

ザマーレクの運営委員会は昨日の土曜午後、このポルトガル人のヴィエイラをチームのテクニカルディレクターとして契約したことを発表するために記者会見を開いた。

ザマーレクはヴィエイラにチームの指揮をまかせるため契約期間は、今シーズン終了までで、報酬は月4万8000ドル。ルイ・アルミダとヌヌ・アルミダのふたりのアシスタントコーチにもそれぞれ月1万1000ドル受け取ることになっている。これとは別にヴィエイラ氏には成績に応じてボーナスが支払われる。

ザマーレクは、エジプトプレミアリーグの対インビー戦での事件を受けて、ヴィエイラ監督との契約締結の発表を延期していた。事件の後、エジプトではサッカー関連の活動は停止している。

会議では出席者全員が起立し、インビー戦での事件で犠牲となったサポーター約20人の死を悼み1分間の黙とうを行った。

ザーマレクの選手たちは昨日の土曜日、記者会見を開き、自らの行いについての潔白を主張した。選手たちは、試合開始前にスタジアム周辺で19人が死亡する事件が発生していながら試合を強行したことに対して、非難を受けていた。

選手たちは、中断したリーグ戦の今後に関し政府との調整を最優先させているクラブが発表した声明の中で次のように言っている。

自分たちは、犠牲となった家族への金銭的な支援を行っています。また家族を選手自身が弔問することも検討しています。

選手たちへの非難は、試合前のサポーターの死に対する配慮の欠如を理由にわきおこった。なお、この試合は先週日曜日に行われ、0対0の引き分けに終わっている。

選手たちは、キックオフのホイッスルが吹かれた時点では惨事が起こったことについて知らなかったと否定している。一方、メンバーのひとりウマル・ジャービル選手は試合の強行を拒否し、スタメンから離脱している。その上で、選手たちは試合開始が約45分遅れる理由となった事件について知っていた、と主張している。ジャービルはかれの契約を解除する決定を取り消したあと、捜査に応じている。クラブの声明によると、選手たちはジャービルの復帰を歓迎すると言っている。

また、声明によると、「選手たちはクラブ会長と技術部門との会議の後、犠牲となったザマーレクサポーターの死を悼むこととともに、かれら自身も喪に服すことを決めた」

続けてこう言っている。「全選手の報酬を5%減俸するとともに、ザマーレクサポーターの犠牲者の家族のために報酬の10%を差し引く。そして、犠牲者の父母に対してはウムラ(小巡礼)の費用を負担する」

事件の数時間後、エジプト政府はリーグの中止を決定したと発表したが、イブラーヒーム・フハリッブ首相はテレビのインタビューで、リーグは2週間以内に再開されるだろうと話した。

エジプト検察庁は、2012年2月1日にアハリー・サポーター70人以上が死亡したポートサイドスタジアムでの惨事のあと禁止していたスタジアムへの観衆の入場を許可、その最初の試合に先立って発生したこの事件についての捜査を行っている。

先週日曜日のこの事件のあと、内務省は、スタジアムに入ろうとしたサポーターどうしの押し合いが原因だと言っている。

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