シリアを代表するストライカー、ジハードのハイサム・クッチュが遠征中の交通事故で 2002年に死亡する出来事がありました。同時にメンバーの多くも負傷。これによりジハードはシーズン途中でリーグ戦(2部リーグ)から離脱を余儀なくされました。
ところが事情がはっきりしないんですが、サッカー連盟は「人道的措置」で、次シーズンからジハードの1部昇格を認めたのです。途中で離脱したけれども理由に鑑み、2部にとどまることを認めるというのなら、話は簡単なのですが、なぜか1部に昇格させるというのです。
なぜそんな「人道的措置」が可能なのか、残念ながら記事からはわかりません。さらに驚きなのは、ジハードは過去にも交通事故で選手を失ったことがあり、このときも同様に「人道的措置」で1部昇格を認められたということです。
元記事
اتحاد الكرة السوري يصعد فريق الجهاد إلى الدرجة الأولى الموسم المقبل,
シャルク・アウサト 2003年2月11日
シリアサッカー連盟
ジハードの1部リーグ昇格を認める
来シーズンより
ダマスカス─AFP
シリアサッカー連盟は全体会議を開き、ジハードの今シーズン2部リーグでの試合続行を免除することと、来シーズン以降同チームの1部参入を認めることを決めた。
連盟は、この決定は慎重かつ人道的に検討した結果であることを明らかにした。連盟は、「ジハードクラブの状況、つまりチームのストライカー、ハイサム・クッチュの死亡を含め、主力選手の多くが悲惨な交通事故に巻き込まれた結果、今シーズン、試合を続行することは不可能であることを強調、また、チームの運営部門、選手、サポーターらが落ち込んでいる状況から脱却させるための措置であることも強調した。
そのうえで、もしこの決定が今シーズン終了後の連盟の定例会議の開催までずれ込んだ場合、チームの状況は再起不可能な状況にまで落ち込みかねない」と述べた。
またサッカー連盟は、ジハードを含め15チームの参加で、来シーズン(2003/2004)のリーグ実施を決めた。その代わり、2004/2005シーズンで通常の14チームに戻すために、シーズン終了後3チームが2部に降格し、2部から2チームが昇格する。
ジハードはダマスカスから680キロ離れたカーミシュリー市を本拠とし、昨年10月16日、2部リーグ第8節のミヤーディーン戦のためデリゾールに向かう途中、交通事故にあった。事故現場はデリゾールから約40キロ手前の地点で、選手らが乗っていたバスのタイヤが吹き飛び、何度も横転した。国際的なストライカーであるハイサム・クッチュ(26歳)と運転手が死亡、ハイサム・ヌーリー、カダフィー・アスマトら6選手とチームスタッフ2人が負傷した。
ジハードは12年前の1991年11月にも、悲惨な交通事故に巻き込まれ、やはり人道的な理由で1部に昇格している。このときの事故は、シリア・カップでのサーヒル戦のためタルトゥースに向かう途中起こったもので、故障のため道路に停車していた土砂を積載した大型ダンプに選手らのバスが激突した。国際的な元選手でチームの監督であった、アブード・イスカンダルら選手、スタッフ20人が死傷した。
コメント
[…] 措置」として、当時1部リーグにいたジハードをプレミアリーグに特例的に昇格させているのです。一方的に迫害されているわけではないということです。(参考:ジハード、1部昇格) […]
[…] 「人道的措置」で2003/2004年シーズンに1部昇格を果たしたジハードでしたが、シーズン中、政治的な混乱に巻き込まれてしまいました。 […]