次回ガルフカップは騒擾下のイラクで開催

第24回ガルフカップ(ガルフ24)は12月8日、バーレーンが決勝でサウジアラビアを1ー0でくだし、初優勝を飾り閉幕しました。大会中、次回開催地はイラクとすることをが発表されました。

ご存じのとおり、現在イラクは全土で反政府抗議運動が沸騰しており、数百人もの死者を出す緊迫した事態になっています(現時点ではいくぶん沈静化しているようですが)。国内リーグは延期され、11月15日イラクのバスラで開催予定だったワールド杯アジア2次予選のイラン戦も、急きょヨルダンを代替地として行われました。

ガルフ杯は湾岸8カ国のサッカー連盟で構成されてる湾岸サッカー連盟の主催大会。カタール・ドーハで開催中の24回大会中、連盟の定例会が行われ、全会一致でイラクでの開催が承認されたとのことです。

なんでこのタイミングでそんな決定をできるのか不思議でなりません。もちろん2年後には情勢は落ち着きを取り戻している可能性もあるわけですが、現在の動きは過去のものとはかなり質が違っており、社会全体を揺るがすものだとする分析が主流だと思うんですがね。しかし、湾岸サッカー連盟の会長は「全然問題ありません」みたいなコメントをしています。この決定の裏には、ドロドロした駆け引き、暗闘、権力闘争があるような気がしますが、どうなんでしょう。

湾岸サッカー連盟の加盟国:サウジアラビア、クウェート、イラク、アラブ首長国連邦、カタール、バーレーン、オマーン、イエメン
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次回ガルフ杯 イラク開催を満場一致で決定

掲載紙:シャルク・アウサト
掲載日:2019年11月29日
URLhttps://aawsat.com/home/article/2012751/العراق-يستضيف-«خليجي-25»-في-ديسمبر-2021

(小見出しは訳者によるもの)

【ドーハ シャルク・アウサト】

■満場一致

湾岸サッカー連盟は昨日(*2019年11月28日)、ツイッターの公式アカウントで、「連盟はメンバー満場一致で、第25回ガルフ杯(ガルフ25)をバスラで開催することを承認した」と発表した。

湾岸サッカー連盟のジャースィム・ラミーヒー事務局長は、カタールの首都ドーハのシェラトンホテルで開催された加盟連盟会長による会議後の記者会見で、「2021年に行われる次回ガルフ25開催に立候補しているイラク連盟の要請を基本的に承認した」と述べた。ドーハでは第24回ガルフ杯が来月8日(12月8日)までの日程で開催されている。

ラミーヒー事務局長は「来週までに加盟各連盟宛てに開催に関する規定文書を送付する。この規定文書はスタジアム、宿泊施設、交通機関、治安確保などについての規定を明記したもので、われわれは、イラクはこの40年間開催して来なかったが、現在は開催能力があると考えている」と述べ、こう続けた。

「開催規定文書には、開催準備までの予定表とともに、開催代替国を選定する場合の最終期限についても記載されている。ガルフ25開催のイラク側の要請を全加盟連盟は承認したが、私の見解では、イラクは開催規定の70から80%をクリアしている」

一方、イラクサッカー連盟のアブドゥル・ハーリク・マスウード会長はこう述べている。「われわれは、8か国の代表チームが参加によるガルフ25をバスラで開催することの基本合意を得た。大会開催はイラクサッカー界とイラク人民の努力の成果だ。われわれは大会開催条件や規定を必ずクリアできる。これについては政府の確約も得ている」

ただし、湾岸サッカー連盟のラミーヒー事務局長は、「あり得ないことだと思うが、イラクが大会を開催できない状況になった場合、他のどの国でも、開催規定、条件に基づいて、イラクに代わって開催する権利を有している」と述べている。

イラク開催を発表する湾岸サッカー連盟のジャースィム・ラミーヒー事務局長 https://aawsat.com/home/article/2012751/العراق-يستضيف-«خليجي-25»-في-ديسمبر-2021 より

■最高の大会になる?

イラク開催を承認したこのガルフカップの定例会議は、湾岸サッカー連盟会長およびカタール連盟会長ハマド・ビン・ハリーファ・アール=サーニーのもと、クウェート、イラク、オマーン、イエメンの各連盟会長、サウジアラビア、バーレーン、UAE各連盟の役員が出席して開催された。

会議では、イラク連盟は同国南部の都市バスラでの開催を立候補したが、バスラでは現在国民的なデモなど抗議行動が続き混乱している。同連盟は、第21回大会を招致したものの、施設やインフラの整備が不完全だという理由でバーレーンで代替開催された2013年以降、ガルフカップ開催についてなんども立候補してきた。

イラク連盟のマスウード会長は定例会議の前、次にように述べていた。「ガルフ25をイラクに招致することに対しては、サウジ、バーレーン、そしてUAEからの支持を取り付けている」

ガルフ25の開催が実現すれば、イラクとしては、バグダッドで行われた1979年の第5回大会以来、2回目となる。2013年のガルフ23はイラクで開催することが決まっていたが、国際サッカー連盟(FIFA)によるイラク連盟に対する制裁措置により、開催決定が取り消されている。現在は制裁は解除されており、イラクでは大会開催の準備を進めている。

マスウード会長は、バスラでの開催を湾岸諸国のサッカー連盟の信任を得たことに大きな満足を表明し、大会開催の栄誉を得たのは、イラク人民とイラク全県にとっての大きな成果だと言っている。同会長によると、(大会開催にあたっては)政府としては青年省が担当し、治安面では内務省が、参加チームや湾岸諸国からのサポーターの安全を保障する役割を果たすことになっており、最高の大会を演出するだろうとしている。

また会長は、過去の大会開催取り消しは、主にイラクサッカー連盟に対する制裁が理由だったが、現在はすでに制裁は解除され、カタールW杯のアジア予選もイラク国内で予定通り行われていることを強調している。

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